グループ経営管理
事業ポートフォリオ管理
DivaSystem LCA
AVANT Compass
次の中期経営計画に向けたKPI をDIVA Compassで効率的に策定
森六ホールディングス株式会社

森六グループは、幅広い事業領域を持つ化学品商社の森六ケミカルズ株式会社、樹脂成形部品を開発・生産する森六テクノロジー株式会社、持株会社の森六ホールディングスで構成されています。創業は1663年と、約360年に及ぶ長い歴史を誇り、2017年に東証一部に上場しました。
森六ホールディングスは上場を経て、投資家をはじめとするステークホルダーとの信頼関係をさらに深めるために、これまで以上に企業の社会的価値やESGを意識した次期中期経営計画の策定に取り組んでいます。その中で、グループ全体を見渡す高い視座から、より客観的で妥当な目標をスピーディーに設定すべく、企業価値経営のためのグループ経営情報分析クラウドサービス「DIVA Compass」を導入していただきました。
その導入の経緯や効果について、前経営企画部(現 管理部主務)の小口貴大様にお話をうかがいました。
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導入前の課題
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経営企画のためのデータ集約、分析業務が非効率かつ属人的
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自社や他社の経営データをExcel上で集約、分析する業務は非効率で、どうしても属人的になりがちだった。また、そのデータを関係者とタイムリーに共有するのも手間がかかっており、そこから先の「企画フェーズ」にもっと時間を割きたかった。
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グループ経営に最適なデータマネジメントツールの必要性
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「選択と集中」によって、さらなる経営の効率向上を目指すために、事業規模やエリアに見合った適切なKPIを設定したい。持株会社としてグループを俯瞰しつつ、個社ごとの経営状況もつぶさに把握できるような、柔軟なモニタリング体制を構築したいと考えていた。
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導入効果
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経営分析の標準化と効率化
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自社と競合他社の経営情報が、瞬時にわかりやすくレポーティングできるようになった。データ収集、分析および資料作成の時間が大幅に削減され、さらには肝心の企画業務に集中できるようになった。
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客観的な指標に基づいたKPIの設定と、連結会計データを活用した経営モニタリング
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競合他社や同業種の平均値をベンチマークとした分析から、客観的に妥当なKPIの検討および設定が可能となった。また、セグメントごと、子会社ごとに最大過去10年分の情報が瞬時にグラフ化されるようになり、中期経営計画策定時に、過去からの経緯が可視化されたのに加え、今後の進捗管理を効率的に実施できる状態になった。
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上場を機に、これまで以上に社会貢献を意識した具体的な施策の策定が必要に
―DIVA Compassご導入の背景を教えてください。

2021年度は森六グループの第12次中期経営計画の最終年度となります。第12次中期経営計画は、2017年の東証一部上場を受けて、上場企業としてあるべき姿と現状とのギャップをどう埋めるかという観点で策定した内容となりました。そして、2022年度から2024年度までの第13次中期経営計画では、パブリックカンパニーとしてステークホルダーや社会から信頼され、期待される企業に成長するために、社会貢献も含めた具体的な施策を打ち出す必要があると考えています。また、投資家から要請される経営効率の向上に取り組まなければいけません。
そのために必要となるのが、グローバルで30を超えるグループ会社それぞれのKPIを事業規模や地域に見合った形で設定し、「選択と集中」を意識した進捗管理をすることです。また、競合他社の情報を含めた客観的な分析も不可欠です。しかし、単純な売上、営業利益といった数値だけでそれを実現するのは不可能でした。以前から経営管理を行う上でのコアとなる連結会計ではDivaSystem LCAを使っていましたが、今回、経営企画部門が客観的かつグループ全体を見渡す高い視座に立って目標設定、進捗管理をしていくためにDIVA Compassの導入に至りました。
―機能面で導入の決め手となったポイントはありますか?
最も魅力を感じたのは、DIVA Compass上に全上場企業の開示情報および、さまざまなKPI情報が入っていることです。他社や業種ごとの平均値をベンチマークとして分析できる点に大きなメリットを感じました。また、今後ESG経営を深化させていくうえで、単純な財務情報だけではなくESGの格付け情報を組み合わせて分析できるのも魅力でした。
―これまで競合他社との財務情報の比較分析はどのようにおこなっていましたか?
他社のホームページから有価証券報告書を開き、必要な数値情報をExcelファイルに落とし込んだうえでグラフ化していました。かなりの工数がかかる作業で、スピードの点で大きな課題を感じていました。また、Excelの場合は分析した本人以外の社員に情報を理解・共有させるのが難しく、より幅広いメンバーで簡単に分析できる仕組みを作る必要性を感じていました。
トライアル期間を設けて、効果を実感してから導入
―どういった業務、目的でのご活用を想定して導入されましたか?

3つのフェーズを想定しました。1つ目は、中期経営計画を策定する段階のKPIを作り上げて経営層に提案するフェーズでの活用。2つ目は、そのKPIを進捗管理するフェーズでの活用。3つ目は、経営層にKPIの進捗状況をスピーディーかつ正確に報告するのはもちろんのこと、進捗を踏まえた対策の提案をおこなうフェーズでの活用です。
―導入における稟議や承認はどのように進められましたか?
社内の承認においては2つの障害がありました。1つはクラウドサービスを利用するにあたってのセキュリティの問題です。これに関しては、認証方式を組み合わせることにより、社内のセキュリティ基準を満たし、社内承認を得ることができました。
もう1つはコストの問題でしたが、長年いろいろなシステムの導入を検討している当社の情報システム部長から見てもリーズナブルな費用感だったことで、すんなり承認を得ることができました。契約手続きの面でも、すでにDivaSystem LCAを導入していることもあり、スムーズに進めることができました。
―導入までのディーバの対応の部分でご評価いただけるポイントはありますか?
導入前にトライアル期間を設け、その中で感じた疑問や要望を相談できたこと、他社がどのような使い方や分析をしているのかを教えていただけたのがありがたかったです。導入してから「思惑と違うな」と感じてしまうようなことがない進め方をしていただき、非常に助かりました。
作業効率アップで企画業務に時間が割けるように
―導入により実感されている効果について教えてください。
データ作成作業のスピードは圧倒的に速くなりました。たとえばEBITDAを算出する際、これまではExcel作業での入力の手間や、人的ミスで異常値が出てしまった場合、一つひとつチェックし、判断をしなければいけませんでしたが、今はボタン一つで出せるようになりました。それをExcelに出力して二次加工できるようにお願いしたところ、すぐに実装いただいたので、作業効率はこれまでに比べ大きく改善され、これまでは二人でやっていた資料作りが一人でも十分実現できるようになりました。

―効率化によるプラスの影響はありましたか?
経営企画で最も重要な任務は、データから何が言えるか、データを踏まえどう対策を取るべきかを考え、経営の方針を企画することだと思いますが、作業が多いと単純に資料を用意することに終始してしまいがちです。当社もその例外ではありませんでした。しかし、導入後は資料作成とデータ分析の時間が削減されたことで、企画に充分な時間を割けるようになりました。これは大きなアドバンテージです。
「伸びしろにあふれた将来性あるシステムだと思います」
―導入を検討されている企業様や何らかの理由で導入に踏み込めない企業の担当者様にぜひアドバイスをお願いします。
DIVA Compassはまだまだ伸びしろにあふれた将来性あふれるシステムだと思います。私自身、これからどんどん機能が拡張されるだろうという期待感のもと活用しています。欲しい機能や足りないと感じる機能がある場合は相談もできるので、もし機能面が理由で導入に踏み込めない場合は、それであきらめるのではなく「こういう機能を追加してもらえないか」と相談してみることをおすすめします。
―今後の展望、またその中で今後ディーバに期待されることがあれば教えてください。
現在はホールディングスとして効果を実感していますが、今後は個社ごとのKPI設定にもその効果をより一層つなげていきたいです。また、DIVA Compassの仕組みの中で他社の開示情報と自社の内部情報をうまくミックスした分析(※1)ができると、さらに理想的なベンチマークによる分析が可能になるだろうと思っています。
さらに、月次の予実管理や、中期経営計画における年度ごとの目標とそれを見直した場合の目標の両方を並行して管理比較できるような仕組みも導入できればありがたいです。
ディーバのみなさんからは、ユーザーと一緒に製品を育てていこうという姿勢を強く感じています。これからも共に開発を進めるスタンスでご一緒できればと思っています。
プロダクトマネージャー:大久保 一樹
連結決算業務のシステム運用から会計処理まで幅広い業務運用支援に携わった後、現在はお客様の企業価値向上や資本生産性の見える化を支援するDIVA Compassのプロダクト企画と事業開発をリード。
(※1)こちらの機能については、DIVA Compassの導入検討段階からご要望をいただいており、インタビュー当時には、実際に開発を開始していました。
※取材年月 2021年7月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※新型コロナウイルス感染防止対策を行ったうえでインタビューをしております。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:森六ホールディングス株式会社
設立:1663年(寛文3年)
本社所在地:〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル東館18階
事業内容:グループ会社の経営指導および間接業務の受託
従業員:連結4,550名(2021年3月末時点)
グループ会社数:34社(連結子会社28社、関係会社6社)
資本金:16億4,010万円
売上高:1554億6000万円(連結 2020年4月1日~2021年3月31日)
URL:https://www.moriroku.co.jp/
※2021年07月 取材当時の情報です
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