投稿日:2024.11.05
投稿日:2024.11.05

連結会計

インタビュー

“知りたい!あの会社の経理部門”
挑戦する意識が高く、互いに成長を促しあえる環境~JA三井リース株式会社 経理部~

JA三井リースグループは、大企業から中小企業まで様々な法人を顧客とし、情報通信分野、不動産分野、農業関連、運輸や船舶業など幅広い業種にリースやファイナンス、投資等を通じて多角的に総合金融業務を行っています。

 

経理部では、社会人1年目から6年目まで各年代の若手社員が在籍し、ベテラン社員とともに多くの人材が活躍しています。次々にルーティンワークの自動化を試みて、組織的な生産性アップに努めるなど、積極的に新たなチャレンジを行う風土が特徴的です。

 

「経営の重要なパートナー」を担っているという自負とともに、連結決算や財務会計、開示業務や管理会計などを行うJA三井リース株式会社の経理部で働く魅力について、経理部のキーパーソンの皆様にお話しいただきました。

前列左から
JA三井リース株式会社
経理部 決算統括室 担当室長 能村 幸次郎 様
経理部 部長 長島 直樹 様
経理部 決算統括室 兼 グループ営業経理室 室長代理 西山 高弘 様
他、経理部ご所属の皆様

管理会計によって経営の意思決定を支援する

--経理部にはどのようなミッションがありますか

長島様:役割は多岐にわたりますが、一言でいえば、経営の重要なかじ取りとなる意思決定をサポートし、全社の誰からも頼られ、相談を受けた際には数字面だけでなく企業の持続可能性に繋がる情報提供を行うのが私たち経理部の使命だと考えています。
 
能村様:まず管理会計を行って、様々な切り口での分析や増減要因の説明など、経営に資する情報をタイムリーに提供します。リース会計は複雑なうえに、複合的な取引が多く複数の会計基準も考慮し約80社ある連結子会社・関連会社を含むグループ全体の財務を管理し、グループ経営の基盤を支えています。
 
西山様:一般的なイメージとして、経理部の配席は事業部門から離れていて、閉ざされた部屋で黙々と仕事をしていると思われがちかもしれません。しかし、弊社では新規事業が立ち上がる際には、早い段階からスキームの相談に乗るなど、事業部と密接に連携しています。「経理部の見解も聞いたほうがよい」と経営陣から頼られるほどで、会社の成長を財務面からサポートしています。
 
長島様:過去の数字を報告するだけでなく、会社の現在と未来を財務の観点から支えることを意識しています。経理部は会社の情報のハブとしての役割も果たしており、その責任は年々大きくなっています。私たち経理部では常に新しい知識や技術の習得に努め、変化に柔軟に対応できる組織づくりを目指しています。

--経理部の部署やメンバーの構成について教えてください

長島様:経理部は、連結決算を担当する決算統括室と、JA三井リースおよび主要グループ会社の営業取引関連の経理業務を行うグループ営業経理室の2つから構成されています。
年齢構成は、20~30代の若手が多くなっています。ベテラン世代も在籍していますが、従来の経理部のイメージほど多くはありません。また新卒入社の社員から、6年目くらいまでの若手が揃っているのが特徴的です。
 
能村様:男女比では男性が多いですが、女性も多く活躍しています。若手メンバーが多いと、新しい技術や変化に対する適応力が高く、組織全体の雰囲気も活気に満ちています。一方、ベテラン社員がサポートする体制も整っているので、若手や中途採用の社員の成長を促しながら個々の経験に基づいた判断も行えるバランスの取れた組織となっています。
 
西山様:年齢構成が若いおかげで、新しいアイデアが生まれやすく、それを実行に移すスピードも速いです。また「単体決算を経験してから連結決算を」という硬直化した思考ではなく、若いうちから、連結会計のように重要で難易度の高い仕事にも次々にチャレンジできる環境が整っています。
一方で、経験豊富な社員がしっかりチェックしてくれるので、初めての仕事でも安心して取り組めます。

 
長島様:やはりその基盤になるのは、しっかりしたシステムだと考え、時間をかけて整備してきたつもりです。業務を属人化させないこと、できるだけ得意・不得意を作らないこと、教える側の力量や思い込みなどの影響を少なくすること。Excel上で引継ぎすると、人によってやり方が異なるため、うまくいかないことが実に多いのを実体験で学んでいます。
 
能村様:だから新卒で入社した社員が、1年も経つと複数のシステムを使いこなして経理業務をしっかりと回しています。若手メンバーはITリテラシーも取組意欲も高く、周りの年齢構成と組織体制が整っているからではないかと思います。

RPAをいち早く導入し業務改善と効率化を追求してきた

--経理部は業務改革にも熱心だとお聞きしました

西山様:私たちの経理部では、いくつかユニークな取り組みを行っていますが、特に盛んなのはRPAの活用です。5年前から全社に先駆けてRPAを導入し、さまざまなルーティンワークをできる限り、人力からRPAへと変えてきました。
メールの送信やデータの収集、Excelを使ってできることは自動化の対象で、年2,000時間ほどの業務がRPAによって自動化されています。RPA活用アイデアの主なものが若手メンバーを中心とした全員参加型の発案から生まれている点は特筆すべきことだと思います。

 
長島様:組織では「この作業は本当に人間がやる必要があるか」を考えるクセを付け、壁打ちを行うことを習慣化しました。当初は定期的にRPA活用の会議を開いて、特定の担当者に任せることなく、遠慮を無くし案を出し合うとともに意見交換を徹底しました。そのおかけでRPAの導入は、単に業務効率を上げる目先の目標だけではなく、社員の意識改革にもつながるようになりました。

 今後は生成AIを活用した業務改革にも取り組みたいと思っています。まだ構想の段階ですが、経理データの異常値の自動検出や予測分析などに活用できないか検討しています。
 
能村様:私たちの経理部では斬新な意見ほど歓迎されますね。部長を中心に「現状維持ではいけない」と繰り返し言い続けてきた効果だと思います。楽できるところは楽をして、その余力を人間でなければできない業務に傾けることが、組織や企業の成長には不可欠だと考えています。

--それだけ経理業務の複雑化・高度化が進んでいるともお聞きします

長島様:高度化する業務への対応は、重要なテーマです。
10年ほど前に全社的な制度改革が行われ、弊社は、より結果主義を重視する方向へと転換されました。それまでは新規の契約獲得額など、フロー的な指標が中心だった営業部門の評価体系がリース契約の1件あたりの収益性が年度単位に計算される仕組みとなり、部門の評価つまり賞与などと直結するようになりました。

この影響で経理部には収益性計算の正確性や即時性といった点で責任と期待が押し寄せるようになりました。

 
西山様:複雑化した計算や大量のデータ処理に対応するため、システム化を積極的に推進する必要も生じたので、さまざまな業務改革は避けられませんでした。ただしその結果、自分たちの仕事が経営に関与しているという充実感が得られているのは間違いありません。経理部は、数字を管理する部署というよりも経営の重要なパートナーとして認識されています。個人としてもダイナミックな環境だと感じながら日々の業務に取り組んでいます。

何か新規事業を計画する際には、事業サイドに経営陣から「経理部の意見は聞いたか」と確認されるようにもなっています。これは経理部に最も重要なデータが集まっているという会社の情報のハブとして認識されているためです。

挑戦する意識が高く、互いに成長を促しあえる環境

--人材の育成という観点ではいかがでしょうか

能村様:海外子会社も増えてきたため、グローバル人材の育成にも力を入れています。英語力向上の研修制度を設けており、入社後に語学を習得した者も多くいます。システムのマニュアルや教育もしっかり整っているので、一定の経験と知識さえあればチャレンジしやすいと思います。

部内のローテーション制度も特徴的で、定期的に担当を変えることで、幅広いスキルを身につけられる環境を整えています。これにより、若手でも連結決算などの高度な業務に携わる機会が増えています。業務や人材そのものの硬直化を避けるには重要な試みだと思っています。
 
西山様:仕事は本当に幅広いので、自身のスキルを高めたい方に適していると思います。約80社もの連結子会社・関連会社を持つ大規模なグループなので、国内の一般的な子会社だけでなく、海外子会社、SPCやタックスヘイブンのリミテッドパートナーシップまで、様々なパターンの連結業務に携わることができます。なかなか経験できない貴重な機会だと思います。

--経理部の人材を募集中だとお聞きしました。どんな人と働きたいとお考えですか

長島様:上述した通り、経理処理という一断面の業務ではなく、連結/単体、会計/税務、財務会計/管理会計、RPA/DXなど、豊富な経験を得る環境が整っています。チャレンジ精神旺盛で、新しいことを学ぶ意欲のある方であれば、ぜひ一緒に働きたいと思います。

私たちのビジネス環境は常に変化し、経理業務も合わせて進化しています。今まで経験したことのない業務に取り組む機会も多いので、柔軟性があり、新しいことも楽しめる人材は理想的ですね。
 

西山様:連結決算や国際会計基準の経験があると、弊社の業務でも大いに役立ちますが、そうした人材が決して多くないことも分かっています。少しでも経験があれば、OJTの制度もしっかりしているので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 
長島様:そうですね。一定の経験や知識は備えてほしいものの、入社後も継続的に学び、成長し続けられる環境は整っています。経理の世界には外的な要因での変化がつきもので、新しい会計基準や税制、テクノロジーの進化に対応できる力が求められると思っています。

 
能村様:チームワークも重要です。お互いに刺激し合い、高め合える関係性を築ける人材を歓迎したいですね。ともに自身の成長と未来を創っていけるような方々と出会えることを楽しみにしています。

取材を終えて

JA三井リース株式会社 経理部の若手の皆様にも一言ずつ仕事の楽しさをお聞きしたところ、十人十色で得意な業務や自分の強みを活かせる仕事が異なっていました。チームワークがよいと同時に、多様性のある組織だと感じることができました。
今後、生成AIなどを使ってさらに積極的な業務改革に取り組むということで、どのようなアイデアが生まれるのか注目したいと思います。

 

※取材年月 2024年8月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。

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