2023.10.31

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AVANT Cruise

業績管理システムを3ヶ月で稼働し、業務効率化で生まれた時間とアイディアで各事業を支援 ~AVANT Cruiseで事業部とコーポレート部門が数値でコミュニケーションできる状態へ~

UDS株式会社

「世界がワクワクするまちづくり」をビジョンに、ホテルやカフェ、レストラン、コワーキングスペースなど多彩な場を手掛けるUDS株式会社。事業計画やプロジェクトマネジメントなどの「企画」、企画を形にする「設計」、設計を経て完成した建物や場所の「運営」をトータルに手掛けています。

 

UDS株式会社では、事業環境の変化に伴って、業績管理業務の効率化と確実性を向上させる仕組みとして、2022年10月にAVANT Cruiseを導入しました。これを主導したのは、会社の中期経営計画の策定やグループ会社の経営管理、経営において生じる諸課題への対応などに取り組む経営戦略室の皆様です。取締役で経営戦略室執行役員の渥美徹様、経営戦略室ゼネラルマネージャーの八ッ橋康博様、同マネージャーの富所佳奈様・猪口めぐみ様に話をうかがいました。

UDS株式会社
経営戦略室 執行役員 渥美 徹 様
同 ゼネラルマネージャー 八ッ橋 康博 様
同 マネージャー 富所 佳奈 様
同 マネージャー 猪口 めぐみ 様

※ 左から、渥美様、猪口様、富所様、八ッ橋様

※ 所属・役職は取材当時のものです

  • 導入前の課題

    • アナログで煩雑な業績管理

    • 業績管理のためのデータを手作業で統合しており、効率性や正確性に課題があった。

    • コロナ禍の事業環境の変化により早急に徹底した業績管理、判断ができるシステムの必要性が高まった

    • コロナ禍で主にBtoC事業における事業環境の変化が起こり、先行きを見通すためにも早急に業績管理をシステム化させ、業績管理をしていく必要があった。

  • 導入効果

    • 業務効率化と正確性の向上を同時に実現

    • Excelをそのままシステムに落とし込み、集計や転記などの定形作業を自動化することで、効率化と正確性の担保を同時に実現できた。

    • 事業部とコーポレート部門がよりスムーズに数値でコミュニケーションできる状態に

    • 事業部側からも業績が見えやすくなったことで、各事業部側にも効率化やシステムを活用した目標管理の質の向上などの効果が生まれた。

今までの業績管理の仕組みは「心が折れそう」なほどの状態だった

――システム導入の経緯を教えてください。

猪口様 当社は数多くの事業を幅広く展開しており、企画・設計・運営といった業務を一気通貫で手掛けることが企業としての強みとなっています。しかしコロナ禍の中、特にホテル運営などBtoC事業において事業環境が大きく変化したことで、徹底した業績管理の重要性を強く感じるようになりました。しかし、当社には業績管理のシステムがなく、各事業部から提出されるデータを手作業で統合していたため、非効率な状況にもありました。

 

渥美様 以前は、業績管理業務は大量のコピペをしなければいけなかったり、いつの間にかファイルが先祖返りしていたり、作業の途中で心が折れてしまいそうなほど、非常に工数がかかる状態でした。その改善が、今回の導入において一つの大きな改善ポイントでした。

――AVANT Cruiseの選定ポイントとなったのはどのようなところでしたか?

八ッ橋様 システム選定において、専門的な知識がなくても使いやすい、ユーザーサイドに立った仕組みになっているか、また、ユーザーの業務をイメージしたリアルな提案をしてもらえるかを重視していました。私自身は前職で連結会計業務に関わっていた20年ほど前からDivaSystem LCA(連結会計システム)は知っていたのですが、その頃から、機能面はもちろん、社風や働くみなさんの人柄においても、手堅く安心感がある会社だと感じていました。
今回、アバントさんに抱えている課題を相談させていただいたところ、我々の業務を高度に理解しつつ、その一歩先を行くような非常に高いレベルの提案をいただきました。それが大きな決め手になったと思っています。

導入段階から先取りして機能を活用

――3ヵ月という短期間でのシステム導入となりましたが、それを実現できた理由はどこにあるとお考えですか?

富所様 要件定義の段階から、導入によって実現したいことの擦り合わせを非常に丁寧にやっていただいたことが一つの要因だと思います。予算策定システムの構築をステップ1、月次の予実管理システムの構築をステップ2、各事業部のKPI管理をステップ3と分け、システム導入までの時間や費用面を考慮しながら具体的なプランを示してもらったことで、「これはやりましょう」「これは後でもいいですね」という取捨選択が明確にできました。そのことにより、それぞれが同じ目線で導入のゴールまでたどり着くことができたと思っています。

――システム導入の過程で苦労されたことはありましたか?

富所様 最も不安に感じていたのは、システムの導入に関する業務と通常の中期予算策定業務を並行して進めなければいけないことでした。しかし、システム導入についてアバントさんとコミュニケーションをかなり密にとらせてもらい、スケジュールを細かく可視化してもらえたおかげで、漏れなく対応できました。

 

八ッ橋様 システム導入の準備をしながらの中期予算策定業務は確かに大変でしたが、振り返ってみたら残業はそれほど多くなかったです。なぜかというと、システムを導入しながら、中期予算策定業務に活用できるシステムの機能を先取りして使うようにして業務を行ったからです。

 

富所様 チームとしては、システムを導入することをゴールとするのではなく、どうやったらシステムを活用して自分たちで業務ができるようになるかを意識していました。アバントさんにはシステム導入と並行して、こんなふうに活用したいというイメージを共有しながら、システムの使い方を手とり足取り教えていただきました。使い方を教わりながら導入できたおかげで、並行した中期予算策定業務もスムーズにこなせました。また、今では自分たちなりのアレンジを施しながら活用できています。

――具体的なAVANT Cruiseの活用について教えてください。

富所様 まずは月次の業績報告です。業績報告のレポートは半期ごとや年度ごとなど、いろいろな角度で切り取って見られるようになっており、各事業部がそれぞれ必要な形で業績を確認できるよう共有しています。それを個人の定量面の評価資料にも使っていますし、システムを活用して各会議体での基礎資料をアウトプットすることにも使っています。

作業時間の短縮と正確性の担保を同時に実現

――業務効率化に関してはどのような変化がありましたか?

猪口様 システム導入前は、各事業部から提出された月次の業績をすべて手作業でExcelに転記していました。事業部の数が多いのでかなりの負担でしたが、システム導入によってそうした単純作業をなくすことができました。また、それにより時間の余裕ができたことで、システムを活用していろいろなレポートを作ってみようという気持ちが生まれたことも大きな成果だと思います。

 

富所様 手作業でExcelへ転記する場合、どうしても人的なミスが起こりがちです。しかしシステムがあれば、1日かかっていたその作業がボタン一つで、しかも正確にできます。時間の短縮と正確性の担保という2つの効果を同時に実感できています。

 

八ッ橋様 今は、各事業部でこれまでどんな資料を作っていたのか、今後どんな資料があるといいのかなどをヒアリングし、システムで補えるところがないかリサーチしながら、なるべく事業部側の負担を減らそうと取り組んでいます。利益を上げるのはやはり事業部側ですから、なるべく事業に力を入れてもらい、我々はシステムを使った事務的業務の効率化を事業部ごとに提案しているところです。そうした提案を我々がすることによって、より精度の高い見通しが作れ、最終的に事業部の成績に繋がるという観点で、プラスの効果をもたらしていけるのではないかと思います。
例えばホテルの運営では、お客様対応で日々忙しいため事務作業にかける時間は非常に限られます。そのためExcelを使った見込み値の報告にも非常に苦労していましたが、今では自分たちの成績が事業部側からも見えやすくなったことで、目標管理などの面でもメリットを感じてもらえているのではと思います。

数字でのコミュニケーションがよりスムーズにできる状態に

――システム導入前の目的は予定通り達成できていますか?

渥美様 業務を効率化できる仕組みができたおかげで、業績拡大のためのPDCAが確実に回るようになってきたと感じています。PDCAが回れば、日々生まれる業務上の異常値を管理会計の数字を通して発見できますし、異常値に対して早期に対処ができれば現場に余裕が生まれます。現場に余裕が生まれると、離職率が下がるなど必ずいい影響が生まれます。業務プロセスとシステムと情報を組み合わせることで会社はここまで変わってくるのかと実感でき、大変感謝しております。

――今後の取り組みを教えてください。

猪口様 システム導入の前に掲げていた3段階のステップの1(予算策定システムの構築)と2(毎月の月次予実管理システムの構築)についてはおおむね設定通りにできたと思っています。今後は、3つめのステップとして各事業部の最前線で働いている人が欲しがっているであろうKPIをデータベース化したいと考えています。例えば、ホテル事業であれば稼働率の管理などが挙げられます。コロナも落ち着いてきた中ではありますが、今後もあり得る大きな環境の変化への対応、また事業領域の拡大などに備え、事業部とコーポレート部門の間で数字でのコミュニケーションがよりスムーズにできる状態を最終的に目指したいと思っています。

 

八ッ橋様 業績管理のあり方というものは、その時々で変わるものだと思います。ですから、今のシステムの形が決してゴールだとは思っていません。一方、そうしたトレンドを自社だけで追うのはなかなか難しいところもありますので、アバントさんとは今後もいろいろ情報交換させていただきながらブラッシュアップしていければと思います。

担当コンサルタントからのコメント

UDS様では、AVANT Cruiseを分析基盤として業績報告に利用するだけではなく、様々な分析や事業部に積極的に活用いただいております。システム導入は通常の業務と並行して進めていく必要があるため、少なからず負荷が上がってしまう傾向にあることは事実です。しかし、今回の取組紹介のように業務を効率化しながら導入を進めていくアプローチもございます。今後システム導入する企業の負荷軽減の参考にしていただけますと幸いです。
経営管理の目指す姿の実現のため、今度ともより良い仕組みの構築に向けて伴走しながら更なるご支援を引き続きさせていただきたいと思います。

※取材年月 2023年8月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。

会社名:UDS株式会社

設立:2009年2月26日
本社所在地:〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-28-7 代々木NTビル 1F
事業内容:まちづくりにつながる場の「企画」「設計」「運営」
従業員:単体 640名(社員335名 アルバイト305名)連結 848名(社員488名 アルバイト360名)
資本金:5,000万円
URL:https://uds-net.co.jp/

※2023年8月 取材当時の情報です


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