2021.03.06

事業管理

製品別顧客別採算管理

AVANT SMD

販売チャネルの変化に適応したブランド別の損益管理をDivaSystem SMDで実現

ユニ・チャーム株式会社

2021年に設立60周年の節目を迎えたユニ・チャーム株式会社。ベビーケア関連製品やフェミニンケア関連製品、マスク製品などで高いシェアを誇っています。国内市場はもちろん、新たな販売先である越境ECや輸出先も増加しています。

販売チャネルが増加する一方、社内において大きな課題となっていたのはブランド別損益システムの老朽化でした。そこで、DXにより国内のブランド別収益管理体制を刷新する「SIRIUSプロジェクト」を立ち上げ、販売チャネル×ブランドコードによる管理への移行を計画。その一環として「DivaSystem SMD」をご導入いただき、業務の改善にお役立ていただいています。

その「SIRIUSプロジェクト」を担ったお二人に、導入の経緯やその効果についてお話をうかがいました。

経理財務本部 Controller Group 森 弘 様
経理財務本部 Controller Group 大山 政美 様

  • 導入前の課題

    • 販売チャネルの変化に対応したシステム構築の必要性

    • 既存のシステムが多様化する販売チャネルを追随できていなかった

    • システムの老朽化による業務の非効率 

    • 20年以上前に構築されたシステムで効率的に業務が行えず、非効率ゆえに経験の長い社員しか対応が出来ない状態が続き業務が属人化してしまっていた

  • 導入効果

    • 業務の効率化

    • 半期や月度の報告業務における帳票作成が自動化でき、作業時間の大幅な削減が実現した

    • 業務の定型化により柔軟な人員配置が可能に

    • 作業を自動化し業務を定型化できたことで、柔軟な人員の配置が可能となった

20数年間使い続けたシステムを刷新

―導入の経緯を教えてください。

森様 当社製品の販売先は国内の代理店様を通したスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターへの販売が中心でしたが、1990年代に入り大人用紙おむつの販売を始めると小売店様だけではなく高齢者施設向けの販売が増え、さらに2010年代半ばになると越境EC市場の成長…というように、販売チャネルは時代を追うごとに増える一方の状況にありました。

 

しかし、社内で使っていたブランド損益管理システムは20年以上前に導入したものだったため、多様化する販売チャネルに対応しきれなくなってきていました。また一部の業務は既にサポートの終了しているWindows XPの端末でしか実施できないなど、不具合が発生した場合にシステムそのものが機能しなくなる危険性にもさらされていました。

そこで立ち上げたのが「SIRIUSプロジェクト」です。<Strategic Integrated Resolved Information Unicharm System>の頭文字を取ってプロジェクト名としました。おおいぬ座のSIRIUS は、太陽を除けば地球から最も明るく見える恒星です。このプロジェクトが我々ユニ・チャームの中で最も輝く仕組みとしてこれから30 年先まで盤石に機能するよう願って命名しました。そして、そのプロジェクトの一環として「DivaSystem SMD」の導入について相談をさせていただいたという流れです。

オンラインを活用してプロジェクト進行を早期化

―以前のシステムにおける具体的な課題を教えてください。

大山様 当社では半期と月度の計画を作っていますが、まず月度のほうでは、誰か一人が作業をしていると別のパソコンからは作業ができないシステムだったため、待ち時間が発生するような非効率がありました。場合によっては作業が次の日までずれ込んでしまうこともありました。
半期のほうはより大変で、システム化がされていなかったため、各部署から集めた数字をExcelにひたすら転記する手作業を長年おこなってきました。会議に使うための損益計算書の作成時には、ブランドコードに合わせた膨大な計算式をExcelにすべて落とし込んでいくとExcelファイルが50MB以上にもなる情報量で、その重さが原因でファイルを開くことも直ぐにはできず、転記時のミスも発生しやすい状態で、さまざまな問題が生じていました。

―導入に向けたやりとりの時期はコロナ禍とも重なり、1年以上オンラインのみでのやりとりが続きました。その点でやりづらさはありませんでしたか?

森様 まったくありませんでした。むしろオンラインだったことでスムーズな導入が実現したのではないかと思いますし、オンラインでは毎日のように打合せと相談をしていたので、1年以上も会っていなかったとは思えないほどです。

大山様 課題を提示してから解決までのスピードも非常に速かった印象です、「ちょっと困った」という時も、相談すると数分後にはWeb会議で討議することもでき、むしろオンラインだからこそスピーディーにプロジェクトが進められたと思います。

月度の実績更新の作業時間を99.6%削減

―導入の効果はいかがでしたか?

森様 当初の目的の一つであった販売チャネル別の損益管理がしっかりと出せるようになったことはもちろん、効率化も実感しています。国内の予算策定においては期間を2割ほど短縮できました。また、丸2日かかっていた月度の実績更新がわずか18分程度でできるようになりました。これは割合にして99.6%の削減に相当しますので、非常に大きな労働負荷の削減となっています。加えて、他部門から収集する帳票や出力帳票について、従来は各事業でバラバラであったものを今回統一しました。

大山様 例年では今の時期は各部署からの提出資料を必死にExcelに転記し報告資料にまとめているタイミングです。ですが、今年は分析に時間が割けるようになりました。
極端な話、ボタンを押すだけで報告資料が出来てしまうので、報告内容の精査だったり、関連部門との会議に向けた連携であったり、今まで手が回らなかったことが出来るようになりました。

森様 そうした効率化だけでも導入効果がありましたが、さらに業務の標準化においても効果がありました。システムの導入によって業務が定型化されたことで誰もが同じような作業ができる仕組みが整い、これまでは事業別に役割を決めて業務を実施していましたが、今回のシステムにより誰でも業務が実施できるような体制に変更することができました。

業務に最も長けた人材を導入のリーダーに据えることが必要

―貴社のような取り組みに踏み切れないCFO組織の方へのアドバイスをお願いいたします。

森様 当社のブランド損益の仕組みに一番詳しいのが私で、その私がこのプロジェクトにほぼ専業できたからスムーズに導入できたと言えると思います。

つまり、もし他社様でこうしたシステムを導入されるのであれば、業務に最も長けた人をプロジェクトリーダーに選定すること、その人に時間的な余裕を与えて導入を推進しやすい体制を作ること、そしてその人が導入におけるさまざまな検討事項について裁量を持って決断を下していける立場であることが大切ではないかと思います。合議制というとコンセンサスが取れているようで聞こえはいいですが、そのせいで結論が遅れてしまうことはよくありますので、社員のさまざまな意見を取り入れつつ、最後は決めるべき人が決める体制が必要なのだと思います。

―「DivaSystem SMD」のご活用における今後の展開や、その中でディーバに期待することがあればぜひ教えてください。

森様 国内における管理体制はほぼ整ってきましたので、今後は海外拠点の体制強化を進めていきたいと考えています。海外拠点へのシステム導入においては、各拠点にいかに導入のベネフィットを提供できるかということが大切になると思います。その点でぜひディーバさんにサポートやアドバイスをいただきながら導入を進めていきたいと考えています。

※取材年月 2021年3月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※新型コロナウイルス感染防止対策を行ったうえでインタビューをしております。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:ユニ・チャーム株式会社
設立:1961年2月10日
本社所在地:東京都港区三田三丁目5番27号 住友不動産三田ツインビル西館
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売
従業員:グループ合計16,304名(2019年12月)
グループ会社数:連結子会社数 48社(2021年10月末現在)
資本金:15,993百万円
URL:http://www.unicharm.co.jp/
※2021年03月 取材当時の情報です


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