2021.10.01

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AVANT SMD

グループ拡大に対応した業績管理の高度化&コスト削減を実現 ~連結会計から管理会計へDivaSystemの拡張と今後の展望~

三菱倉庫株式会社

創業は1887年と、三菱グループの中でも歴史の長い会社のひとつである三菱倉庫株式会社。日本国内はもちろん、アメリカやヨーロッパ、アジア各国に多くの関連会社を展開する、日本トップクラスの倉庫・物流サービス企業です。

三菱倉庫株式会社では、すでに10年以上前から制度連結モジュールとしてDivaSystem LCAをご活用いただいておりましたが、それに加えて2013年よりグループの業績管理基盤としてDivaSystem SMDもご導入いただき、精度の高い業績管理用の予算・実績データの作成を実現されています。

最近では、2030年に目指す姿として「MLC2030ビジョン」を定め、ESG経営やSDGs的な観点からの非財務情報の収集にも取り組まれております。そのような中、三菱倉庫株式会社では、DivaSystem SMD をどのようにご活用いただいているのか、またその成果や今後システムに求めることなどについて、三菱倉庫株式会社 企画業務部 企画チーム チームマネジャー 細井健一様、同 黄金井瑞穂様、同 川西理恵子様にうかがいました。

企画業務部 企画チーム チームマネジャー 細井 健一 様
企画業務部 企画チーム 黄金井 瑞穂 様
企画業務部 企画チーム 川西 理恵子 様

写真左から:黄金井様、川西様、細井様

  • 導入前の課題

    • 各グループ会社の目標管理(予実管理)業務をグループ全体で一元管理できていない

    • 一部の会社では独立した管理を実施しているなど、グループ内の目標管理が統合されておらず、グループ全体での目標(予算)の共有やタイムリーな業績把握ができていない。

    • 経営の要請に応えるための数値分析ができていない

    • データ収集や集計作業をExcelで実施しており、経営からの要請である「グループ経営の強化」に応えるための、作成した数値を詳細に分析する手段と時間が大きく不足している。

  • 導入効果

    • グループ全体の目標管理データを一元管理する、グループ経営のインフラを整備

    • 各グループ会社の目標管理データをDivaSystem SMDへ統合することで、グループ全体で同じデータを共有し、タイムリーに把握できる状態を実現。

    • 目標管理データを連結ベースの勘定科目単位で算出できるようになり、業績把握の精度が向上

    • 各グループ会社の詳細なコスト構造の横断的な比較が可能に。連結ベースでの収益・費用のモニタリングを実現。

    • 業務フローが改善したことによる作業コストの削減

    • Excelデータの受け渡しやマクロによる処理、またシステムへの取り込み作業が大幅に削減され、業務フローが改善したことにより、時間的・人的コストの削減を実現。(月次の目標管理業務が約14時間短縮)

マクロの処理に1時間以上かかることもあった

―DivaSystem SMDご導入前は貴社独自で開発したシステムを使い、Excelで予実管理をされていたそうですね。

細井様 当時私は経理部門にいたので直接タッチしてはいませんでしたが、部署が隣だったので「大変そうだな」という雰囲気は感じていました。Excelのマクロを組んで管理していたようですが、データが非常に膨大で、マクロ処理のボタンを一回押すと処理が終わるまでに1時間以上かかっていたようです。もし途中で間違いが見つかったら最初からもう一度走らせるとか、そういう話をしていたのは覚えていますね。
 
黄金井様 私はちょうどDivaSystem SMDの導入時に今の部署に異動しました。半年ほどは以前のシステムを並行して使いましたが、当時、業績の締日は残業が非常に多くて、細井が今言ったように、1回ボタンを押したら「夕ご飯食べに行こうか」という状況でしたね。待ちのための時間もかなりかかっていたと思います。

―DivaSystem SMDをお選びいただいた理由を教えてください。

細井様 まず全体的な背景としては、2010年に富士物流を連結子会社化したことで、それまで当社の顧客ではなかったお客様へのビジネス展開が広がり、かつ連結範囲も広がっていく中で、単体ではなく連結ベースで数字を把握しなければならなくなったことが挙げられます。

黄金井様 システムの観点から言えば、経理部ではもともとDivaSystem LCAを導入していましたので、経理部が出力したデータを目標管理(予実管理)の形式に変換していく際に他社のシステムだと新たにデータを書き換える必要が発生するなどコストや作業工数がかさみ、また子会社でも本体と同じように勘定項目ごとの予実管理をするため、それらの理由を考えた場合に一番メリットが大きいのがディーバさんのシステムでした。

情報の精度が上がり多角的な分析が可能に

―導入によりどんな効果がありましたか?

黄金井様 企画業務部における月次の目標管理業務が約2時間短縮されました。各支店でも同じくらいは短縮できたと思います。導入後もわからないことがあればディーバさんがいつでも教えてくださるなど丁寧にサポートもしていただけたので、操作や処理の仕方で悩むような時間的なロスもなくなりました。

川西様 私はまだ着任して数ヵ月ですが、DivaSystem SMDはExcelと同じような仕様のため操作しやすく、開いて入力して保存して終了、というだけなので楽ですね。また、以前は各支店の担当者が、各課所や管轄の子会社から20以上のExcelを回収して、マクロを使って統合して、企画業務部に送るという流れだったと思うのですが、今は実績を取り込むためExcelの回収が不要になったことも効率化につながっていると思います。加えて、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとの連携においてデータの可視化がしやすくなったという効果もあるかと思います。
 
細井様 確かに、情報収集のキメが細かくなったので、BIツールと連携することでよりいろいろな角度で分析ができるようになりましたね。また連結子会社の収支管理という意味では、従来は連結子会社については収益、費用、利益のデータしか把握できておらず、何が良くて何が悪いのかというところまではわからなかったので、そこが可視化できるようになったのも大きな変化だと思います。

―導入のタイミングで社内浸透を図るような取り組みはされましたか?

黄金井様 導入の趣旨や操作のことなど、社内担当者に向けてはもちろん子会社担当者に向けての説明会も開催しました。ユーザーの反応としては、DivaSystem SMDの画面がExcelと非常に近いのでユーザーフレンドリーというか、まったく知らないシステムが導入された時のようなとっつきにくさが少なかったので、非常に助かりました。
 
細井様 私もちょうど導入当時に子会社に出向しており、まさに担当者として入力をしていましたが、ストレスはなかったですね。

DivaSystem SMDのデータを活用し経営陣への報告

―導入から7~8年経ちましたが、いい効果が得られたと感じる点、また使い進める中で改善すべきと感じている点について教えてください。

細井様 統計をDivaSystem SMDの仕組みに入れたというのは非常によかったと思います。以前はただ統計データを集めて、紙で回覧するだけで、充分活用できているとは言い難い状況でした。しかし今は同じシステムに全てデータが入っているので、そこから抜き出してBIツールに入れて分析できるようになりました。まだ100%活用できているとはいえませんが、年度ごとの推移をグラフに重ねてみたり、それと売上データとの相関性を見てみたり、そういうことができるようになってたのも、DivaSystem SMDがあるからこそです。
 
最近は、社長を含めた経営陣に統計データのダッシュボードを毎月配信しています。また役員から部長クラスが集まる支店長会議でもデータを使ってプレゼンしています。ダッシュボードはBIツールで作成していますが、その裏側のデータはすべてDivaSystem SMDから収集したデータです。すごいお宝があったのに今まで使えていなかったんだなと感じます。

さらなる有効活用へ、拡張と改善の期待

―ディーバに今後期待したいこと、またディーバへのご意見があればぜひ教えてください。

川西様 情報の集約という点で言えば、現在は倉庫管理システムで日々蓄積されている入出庫や在庫状況のデータなどもDivaSystemに入れることができれば、データをさらに有効に活用していくことができるのかなと考えていました。
 
細井様 確かに倉庫管理システムの情報はまだ活用が進んでいないので、一度DivaSystemに乗せてデータを整理して、さらにそれをBIツールで出力するなどといった方法をぜひ一緒に考えていただきたいです。それができれば、より精度の高いデータが活用できるようになると思います。

黄金井様 あとは、BIツールとの連携の仕組みを作っていただくことや、連結会計から管理会計とのデータの管理や登録が経理部側と企画業務部側で個別にしなければいけなくなっているので、それが一元化されたら楽だろうなと思ったことはあります。
 
細井様 現場の前線でデータをインプットしている人たちにとってはほとんどストレスなくできていると思いますが、確かに企画業務部が取りまとめて処理を回したり、マスター更新したり、経理データを取り込んだり、その辺りに関しては、特に引き継ぎの際に少し苦労しますね。今実際に走っているものは理解しやすいとしても、年に一度しか操作しないような仕組みも多く、そうした内容の理解の共有が難しいというのはありますね。
 
いろいろと要望はあるのですが、担当の方には普段から本当にきめ細かいサポートをしていただいていますし、わからないことがあった場合の質問にもいつも迅速にご回答いただけて助かっています。今私たちがディーバさんのシステムを使いこなせているのも担当者さん始めスタッフのみなさんのおかげですし、今後も継続してサポートをお願いしたいと考えています。

これからの取り組み・展望について

―ESG経営やSDGsにまつわる施策にも積極的に取り組んでいらっしゃいますが、その取り組みとツールの活用との関連についてはいかがでしょうか。

細井様 ESGやSDGsに取り組むうえでは、非財務情報の収集がこれからますます求められるようになります。CO2や廃棄物の排出量などを連結グループ全体で把握していかなければいけません。従業員教育の時間やヒヤリハットの件数の把握なども当てはまるでしょう。ではそれをどう収集するかという話になるわけですが、「データの収集といえばDivaSystem」というイメージが社内ではかなり浸透してきていますので、非財務情報においてもディーバさんにお力をお借りするということが自然な流れなのかなと感じてはいます。海外も含めてディーバさんのシステムが入っているため海外から情報収集する場合にも容易に使えるのも大きいですね。
 
三菱グループには「三綱領」と呼ばれる統一の理念があります。「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」の3つから成るものですが、この考えはまさにSDGsに通じるものです。世界的な流れとしてESG経営やSDGsに重点的に取り組まなければいけない状況の中、あらためて倉庫の耐震性の高さや環境に配慮した設備をアピールしつつ、一方ではディーバさんのシステム等も活用し、あらゆる業務におけるシステム化を進めていきたいと考えております。

担当コンサルタントからのコメント

三菱倉庫様には、DivaSystem SMDを導入して、7、8年という長い年月にわたり、収集基盤を拡張しながらご利用いただいております。
2015年には、すでに導入していた目標管理システム(予実管理)を拡張する形で、統計情報の収集もスタートいたしました。
最近では、2030年に目指す姿として「MLC2030ビジョン」を定め、より一層、ESG経営/SDGs対応に向けた非財務情報の収集が必要とのお話を伺っております。
ディーバは、グループ経営に必要な非財務情報の収集をシステム化した事例も多数ございますので、引き続き、収集するデータの拡充を焦点にESG経営/SDGs対応に向けた取り組みのご支援をさせていただきたく考えております。

※取材年月 2021年10月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※新型コロナウイルス感染防止対策を行ったうえでインタビューをしております。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:三菱倉庫株式会社
設立:1887年4月15日
本社所在地:〒103-8630 東京都中央区日本橋1-19-1
事業内容:倉庫事業、陸上運送事業、港湾運送事業、国際運送取扱事業、不動産事業
従業員:4,598名(連結、2021年3月末現在)
グループ会社数:連結子会社数 48社(2021年10月末現在)
資本金:22,393百万円(2021年3月末現在)
売上高:213,729百万円(2021年3月期連結)
URL:https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/
※2021年10月 取材当時の情報です


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