2022.10.12

グループ経営管理

経営ダッシュボード

事業管理

製品別顧客別採算管理

DivaSystem SMD

芝浦機械株式会社

「経営改革プラン」の完遂に向け連結経営管理システムを導入

~グループ経営の見える化を実現した経営ダッシュボード~

1938年の創業以来、射出成形機、ダイカストマシン、工作機械などの製造・販売を手掛けできた芝浦機械株式会社。中でもダイカストマシンやスマートフォンに採用される高精細カメラレンズ金型加工などでは国内外でトップシェアを誇っています。

同社では今、2020年2月策定の中期経営計画「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けた財務戦略の実行に取り組んでいます。しかし、2023年度をゴールとするその経営改革プランの完遂に向けては、連結経営を可視化する管理システムの導入・運用が不可欠でした。

そこで2020年4月、連結経営ダッシュボード、連結予算策定および多軸カンパニー連結管理に対応できる連結経営管理システムの導入プロジェクトがスタート。1年以内の開発期間を経て、2021年4月より本番運用がスタートしました。その導入の背景や開発時のご苦労、実際の効果などについて、芝浦機械株式会社 経営企画本部 経営企画課 課長 小澤 浩二様、同 財務部 主計課 森嶋 隆太様にお話をうかがいました。

小澤 浩二様(経営企画本部 経営企画課 課長)
森嶋 隆太様(経営企画本部 財務部 主計課)

写真左から:小澤様、写真右:森嶋様

  • 導入前の課題

    • 多軸での収益判断ができておらず経営判断が困難だった

    • 事業再編により、事業部制・個社管理からカンパニー制(全連結管理)への移行に伴い、多軸での収益管理・分析(製品別、顧客別地域別、カンパニー別etc.)が必要となった。

    • 早期のデータ基盤整備が求められていた

    • 経営改革プラン遂行の為、各種経営管理数値を可視化することが急務であり、早期にデータ基盤を整備する必要があった。

    • 各事業別の数値管理の収集工数

    • 各事業別の数値管理は行っていたものの、集計に手間と時間がかかっており非効率であった。

  • 導入効果

    • 非連結も含めた全社連結での数値把握を実現

    • 社内で管理している7つの事業および非連結を含めた全社連結を実現し、連結ベースでの多軸(製品別、顧客別地域別、カンパニー別)分析による経営指標のモニタリング、真の収益性把握が可能となった。

    • 多軸分析(製品別、顧客別地域別、カンパニー別)の実現

    • 損益の差異要因分析についても瞬時に、また多軸でグローバル顧客別連結、売上種別(製品本体、部品、サービス)ごとの連結収益といった、自社の特性に合わせた切り口での分析が可能となった。

    • 経営改革プラン完遂に向けた早期の本番運用を実現

    • 2023年度をゴールとする経営改革プラン完遂に向けて、連結経営を可視化する管理システムが不可欠という状況の中、僅か1年以内で本番運用を実現し、スムーズなスタートを切ることが出来た。

TOBと東芝グループからの独立がきっかけ

―連結経営ダッシュボードの導入に取り組むことになったきっかけ、背景をお聞かせください。

小澤様 大きなきっかけは、各方面でも報道もされましたアクティビストによるTOBです。防衛においては当時の中期計画のままでは営業利益の面でコミットできないということで、2020年3月27日の臨時株主総会において買収防衛策の是非を問うべく、急遽約3ヵ月で中期計画を作り直すことになりました。私はその中期計画策定のプロジェクトメンバーとして選ばれました。

策定に当たっては、経営改革プランの数字を達成するために必要なKPIを抽出するところまではできましたが、肝心の実績数値・見込数値は各関係会社からExcelで収集しており、管理メッシュも粗く、多種多様なKPIに適合する数値を把握することができません。また、算出に時間も要しており、スピードが欠如しています。TOBを回避することができましたが、TOBをかけられたことで、そうした部分の可視化の必要性に迫られたことは間違いありません。

もう一つのきっかけとして挙げられるのは、創業以来の資本関係にあった東芝グループからの独立です。2017年に独立した以降も東芝のブランド名は使用できていたのですが、2020年3月31日をもって使えなくなることが契約で決まっており、東芝ブランドから芝浦機械ブランドへの変更によってどれ程のインパクトが生じるのか、特に海外市場において事前に把握しておく必要がありました。そこで現状把握のために、どの地域/どの顧客/どの産業/どの機種が多く売れているのか調査を行ったのですが、日本本社で取り纏めて有益な情報として把握できるまで約1カ月かかってしまいました。

このような経緯から、経営数値の見える化が急務となり、2021年4月本番稼働が必須条件であるDivaSystem SMDを使った経営管理ダッシュボードの導入プロジェクトが2020年4月にスタートしました。

本番稼働までには様々な壁があった

―プロジェクトがスタートしてからはどのようにシステムの導入を進められましたか?

小澤様 まずは各子会社から収集したデータが多軸連結経営ダッシュボード構築に活用出来るかどうかを調査することからスタートしました。
実はこの時点でアバントさんと共にデータについての確認や意見をもらいつつ進めておりました。その調査を踏まえて6月中旬にトップ会議においてシステム導入が承諾され、開発に移行したという流れです。当社では通常、システムの導入には多段階のステップを踏んで精査・審議していましたが、2021年4月までに経営数値の見える化を実現しなければならないという状況下だったからこそスムーズに計画が進んだともいえます。

―開発から稼働の過程においてご苦労された点や印象に残っていることはありますか?

小澤様 まず、1点目は海外現地法人や販社からの販売管理情報の収集です。どのユーザーに、またどんな業種に多く販売されているとかいう情報は現地システムやExcelで管理されていたわけですが、特にExcelで管理している子会社でのデータフォーマットが統一されておらず、DivaSystem SMD に取り込む際に紐づけたはずの列やスタート行が都度変わっていたりしたので、その調整・指導といった点に苦労しました。

2点目は、海外現地法人や販社への教育です。
多軸分析をするために必要な顧客コード・機種コード・売上種別コードなどを、現地で管理している販売データまたはマスタに付加してもらうことと、DivaSystem SMD でのデータのダウンロードやアップロードの方法といった基本操作をローカルの経理担当者に英語で説明する必要がありました。
また、経営層が求めているデータをどのように理解してもらうか?といった点にも苦心しました。しかしこれに関しては、コロナ禍であったことで助けられた面もありました。従来使っていたテレビ会議システムは大きな現地法人にしかなかったのですが、WEB会議が浸透したことで小さな現地法人や販社とも手軽にオンラインでスムーズにやりとりができました。

3点目は、本番稼働目前のタイミングでテストランした際に数字が合わなかったことです。その原因がなかなかわからず、本当に2021年4月に本番稼働できるのかという状況まで追い込まれました。原因は、売上先が当社グループ会社だと自動で売上を連結消去するというプログラムを組んでいたのですが、それを特定するフラグが立っているべきところに立っていなかったというものでした。解消に当たっては、数万件ある顧客マスタから当社グループ会社を会社名称から特定していく地道な作業が必要となりましたが、アバントさんとギリギリまでデータの精査にあたりました。

部品単位やサービス単位といった自社の特性に合わせた細かいメッシュで差異要因分析が出来るようになった 

―稼働開始後はどのような効果を感じていますか?

小澤様 システム化されたことで販売情報がすべてグローバルで見えるようになりました。今までは利益率が悪くても個社ごとにしか見られず、グローバル顧客別、地域別、売上種別まではわからなかったのですが、システム稼働後は連結での収益がグローバル顧客、地域別、売上種別に見ることができています。それにより、個社ではなく全体最適といった視点で、利益率が悪化している顧客を抽出して対象のカンパニーに価格の交渉を指示するといったこともできるようになってきています。
また、損益の差異要因分析については、今までは人力のため粗いメッシュでしか計算できていなかったものを、自動で、瞬時に、かつ多軸で出せるようになりました。売上種別(部品、サービス)ごとの確認といった、自社の特性に合わせた切り口での分析ができるようになったことは、非常に有益だと思っています。

―導入前に実現したかったことには到達できていますか?

小澤様 中期経営計画達成の為、スタートからモニタリングすべきKPIが明確でした。
事業特性や会社に併せたKPI定義を最初に行ったことや、KPIとなるデータ検証の段階からアバントさんが加わっていたこともあり、子会社からのデータ収集においても手戻りが少なく、わずか1年という短期間での導入に繋がりました。KPI指標に対する機能は網羅されていますので、そういう意味では実現できていると思います。将来的にカンパニーが増えたり、M&Aで新しい会社を取り込むことになったりした場合のインターフェースや、次の事業展開において検討すべき要素を考えることはありますが、現状の仕組みとしては十分なものを作っていただけたと思っています。

森嶋様 ただ、実際に運用する立場としてリアルな話をしますと、カンパニーの担当部門での活用においてはまだまだ課題点が多いというのが現状です。各カンパニーには今までの手法が、また営業には営業の分析の手法がありますので、そこに横展開していくというところまではまだ至っていないのが正直なところです。いかに会社全体にシステムの有効性を浸透させていくかということが、これからの課題だと思っています。

―アバントの対応の中で印象に残っていることはありますか?

小澤様 担当コンサルの方の理解が非常に早くて驚きました。単にシステムを開発するといっても会計の知識がないと構築できないはずですが、アバントのみなさんはシステム面においても会計面においても非常にスキルが高いと感じます。専門用語や当社の管理会計における文化のようなところもしっかり汲み取り理解していただき、本当にすごいと感じました。

森嶋様 私は新卒で入社しましたので、この会社の管理会計手法しか知識がありません。社内のみで通じるような言葉もあり、そのままアバントさんに言っても伝わりませんので、システムへ落とし込むためにうまく言語化して伝えるという点で非常に勉強させていただきました。また、そうして言語化した内容を的確に理解していただき、提案をいただく中で、当社の計算制度の仕組みを広い視野で再認識することもできました。

―今後アバントに期待することや、サポートして欲しいこと、一緒に取り組んでみたいことなどはありますか?

森嶋様 運用していく過程では当然トラブルも発生します。それを未然に防ぐようなシステム、プログラムをぜひ一緒に作っていただき、安定運用を目指したいと考えております。

小澤様 今回の導入をきっかけに数字が透明化した、あるいは信頼性が高まった部分もかなりあると思っています。今後は会社のいろいろな数字をもっとインプットして透明性を高めたいという声が役員からも上がっていますので、そのお手伝いをお願いできればと思っています。

担当コンサルタントからのコメント

経営の意思決定スピードと質を高めるための連結経営管理の仕組みを、構想からわずか1年で運用を開始し、拡張しながら更なる改革を実施いただいております。
お客様の積極的なご対応のもと、導入を実現することができました。
システム導入をきっかけに、分析の強化、意識改革への取り組みなど、グループ経営に
関わる取り組みも実行されています。導入までの過程や、導入後の成果、今後の取り組みの紹介にあたり、多くの企業が抱える課題の解決の糸口となれば幸いです。
今後とも、経営や事業を理解し、伴走しながらサービスをつくっていくことで、更なるグループ経営改革のご支援を引き続きさせていただきたいと思います。

※取材年月 2022年06月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※新型コロナウイルス感染防止対策を行ったうえでインタビューをしております。

会社名:芝浦機械株式会社(SHIBAURA MACHINE CO., LTD.)
設立:1949年(昭和24年)3月
本所所在地:東京本社〒100-8503 千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル
事業内容:射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、工作機械、超精密加工機、微細転写装置、ガラス成形装置、産業用ロボット、電子制御装置、鋳物などの製造・販売
従業員:連結 3,049名、単独1,664名(2022年3月現在)
連結子会社数:13社(2022年3月現在)
資本金:12,484百万円(2022年3月現在 )
売上高:107,777百万円(2022年3月期連結)
URL:https://www.shibaura-machine.co.jp
※2022年6月 取材当時の情報です


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