2022.01.10

事業管理

予算管理

株式会社ドーム

IBM Planning Analyticsを導入、販売・生産計画の策定を大幅に効率化
~業務全体を踏まえたジールの改善提案で、先を見据えた計画策定の高度化を目指す~

世界的なスポーツブランド「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」の国内総代理店としてビジネスを展開するドーム。米アンダーアーマー社と連携し、製品の需要予測(目論見)に基づく販売計画、および生産計画の立案を行っている。

ビジネスオペレーション部の佐治 亮輔氏は、「過去の販売実績などに基づいて、マーチャンダイザー(MD)がシーズンごとの商品の目論見を立てた後、アイテムや月ごとに具体的な販売計画に落とし込んでいきます。その後、生産計画を立てていくのですが、最低発注数など工場の生産条件を満たしているのかを再度精査・調整したうえで、最終的な生産計画を決定します。このフローを繰り返すことで、販売・生産計画のブラッシュアップを図ってきました」と説明する。

そうした中で課題となっていたのが、既存プランニングシステムの刷新による計画精度の向上と、計画策定に関する業務効率化だった。

ビジネスオペレーション部 佐治 亮輔様

  • 導入前の課題

    • プランニングシステムを刷新し、販売計画・生産計画の精度を向上させたい

    • Excelを用いた手作業による煩雑な計画策定業務を効率化したい

    • 計画策定業務全体を見渡した課題解決により、ビジネスの成長を促進させたい

  • 導入効果

    • ジールの支援のもと、IBM Planning Analyticsを導入し、販売・生産計画策定業務の効率化と精度向上を実現

    • 複数のシステムとの柔軟な連携により、データ抽出・加工における手作業が削減、担当者2名で5営業日を要していた生産計画策定が担当者1名で4営業日以内に終了するようになった

    • 「目論見管理」「生産Forecast管理」「中期計画」など、計画策定のあらゆるフェーズへの対応も視野に入れた、拡張性の高いプランニングシステム環境を実現

  • ZEALにした決め手

    • プランニングシステムのリプレースだけに留まらず、計画策定業務全般の課題を洗い出し、将来的なロードマップも含めた改善提案を行ったジールをパートナーに選択

    • 多岐にわたる業務課題に対してプロジェクトメンバーが一体となってヒアリングを行うことで問題点を可視化、一貫した改善提案とシステム設計・構築を実施

背景と課題

―販売・生産計画立案の精度向上と効率化を目指し、プランニングシステムの刷新を決断

小谷様 カスタマー部の小谷 紗智子氏は、 「従来のプランニングシステムは他システムとの連携が不十分であったため、さまざまなシステムからCSV形式にしてデータを抽出、ローカル環境のExcelで加工作業を行い、再度プランニングシステムに取り込むという煩雑な作業を行っていました」と説明する。サイズやカラーなどで分類された、在庫管理上の最小のアイテム数(SKU)は3~4万点に達し、これに販売店舗、販売月などの属性情報を加えるとExcel上のデータは約30万行までに膨らんでいたという。

藍原様 プランニングシステムと他システムとのデータ連携がしにくかったことは、各工程の担当者にも多くの負担がかかっていたという。MDプランニング部の藍原 智子氏は、「商品情報は販売計画・生産計画策定の起点となる大事な情報ですが、他システムと連携されていないため、他システムで商品情報に変更が発生した場合、その都度プランニングシステムに手作業で登録し直さなければならず効率が低下していました。また、変更の反映にタイムラグが生じてしまうという問題もありました」と話す。

生産計画策定を担当しているサプライプランニング部の沢根 博貴氏も「商品マスターをはじめ、さまざまなシステムから商品情報を抽出する作業に多くの時間がかかっており、生産計画が完成するまで担当者二人がかりで5営業日を要していました」と語る。

MDプランニング部 Head of Department 藍原 智子様

採用のポイント

―プランニングシステムの刷新だけに留まらない、業務全体の課題の洗い出しと改善提案を実施

小谷様 これらの課題を解決するため、ドームはプランニングシステムの刷新を決定。そのパートナーして選び抜かれたのがジールだった。

ジールが選ばれた決め手となったのは、プランニングシステムの刷新だけに留まらない、ドームの計画策定業務全体の改善も含めた、将来的なロードマップも見据えた提案を行ったことである。

具体的には、既存プランニングシステムに関する業務だけでなく、ドームの業務全般にわたってヒアリングを実施。目論見や生産Forecast、計画外の受注生産などについても課題を洗い出してシステム要件を整理し、ドームへの総合的な改善提案を行った。

小谷氏は、「はじめに計画策定業務全体についてジールに整理してもらえたことで自分が直接担当していない業務の状況も可視化され、ドームとして解決すべき課題をしっかりと認識できました」と話す。

カスタマー部 Head of Department 小谷 紗智子様

全体的な業務課題を明らかにしたうえで、ステップ1として生産計画を主軸としたプランニングシステムの刷新に着手する。 ドームが掲げる要件を的確に捉えて吟味したうえで、ジールは最適なソリューションを提案。

そして、ドームとジールによって特長を比較しながら製品選定が行われた結果、最終的に選択されたのが統合計画ソリューション「IBM Planning Analytics(IPA)」だった。高性能な計算エンジンを有しているため、あらゆる業務要件に対応可能であること、分析のためのデータモデルの構成についても次元・キューブ数に制約がなく、膨大な商品属性情報にも柔軟に対応ができること、Excelのアドオン機能があり、 Excelをフロントとしたデータの入出力が行えることなどが採用の理由である。

導入のプロセス

―ジールの導入・構築支援により、約半年で大規模データ統合分析基盤を構築

小谷様 ジールの支援のもと、2019年9月からの要件整理の後、要件定義を経て新プランニングシステムの設計・導入が行われ、2021年3月には無事、本番運用を迎えることができた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、ジールとはオンラインでのやり取りを余儀なくされたが、「ジールには事前に要件整理をしてもらい、システム化のポイントは十分に把握していたので、オンラインだけでのやり取りでも乗り越えることができた」(小谷氏)という。

評価されたポイント①:多岐にわたる業務課題の洗い出しと改善提案にチーム一丸となって対応

梅田 今回、ドームの計画策定業務全体の改善提案を行うために、関係メンバーが常に意思統一を図りながらプロジェクトに臨んでいった。

ジールの梅田 信介は「要件整理フェーズでドーム様に現行業務のヒアリングをした際には、情報量が非常に多かったため、ヒアリングの担当を業務ごとに分けました。そして、ヒアリングした内容をドキュメント化する時にはジールメンバーの認識が正しく一致しているかを確認する時間をかけました。現行および新業務フローの作成方法にも、細部までで全員でレビューを行ってからドーム様との打ち合わせに臨むなど、最善なアプローチができるような工夫をしました」と説明する。

株式会社ジール デジタルイノベーションサービスユニット
ユニット長 梅田 信介

評価されたポイント②:計画策定業務の進行状況を明確化し、社内の統制を図る

小笠原 ジールの小笠原 裕二は、「システム化した範囲が一部ということもあって、業務間の連携がExcelによる手作業の運用となっており、関係者が増えれば現状のステータスも分かりにくくなるという問題がありました。そこで、今回のシステムを導入するなかで、各業務のステータス管理を明確化し、社内の統制がとれるようにしました」と語る。

株式会社ジール デジタルイノベーションサービスユニット
リカーリングソリューション部 シニアコンサルタント 小笠原 裕二

評価されたポイント③:機能の追加要望に対して綿密な事前準備を行い、既存システムとの整合性を保持

小西 追加要望フェーズでは、一通り完成したシステムに手を入れることになるため、既存システムとの整合性を保ちながらの開発が必須となった。

ジールの小西 健太は、「今回のステップ1で自分が担当した部分だけでなく、それ以外のシステムの全体像についても把握しながら既存システムでの動作と追加要望の実装後の動作を比較検証し、齟齬が発生しないよう開発・テストを行いました」と強調する。

株式会社ジール デジタルイノベーションサービスユニット 第一部
シニアアソシエイト 小西 健太

導入効果と今後の展望

―IPAを主軸とした各システムとのデータ連携を実現、計画策定業務の大幅な効率化を達成

ジールの支援によってプランニングシステムの刷新を行ったドームは、さまざまな効果を得ている。小谷氏は、「最も大きな効果として感じているのは、各商品マスターが自動連携されたことです。これまでは各マスターの商品情報に変更が発生した場合、それが正しくプランニングシステムに反映されているのかのチェックが必要でした。そうした作業が削減されたほか、チェック漏れなどによるミスもなくなりデータ品質の向上を果たせています」と評価する。

藍原氏も「商品情報の変更作業に手を煩わされることがなくなり本来の業務に専念できるようになりました。IPAを使うことで、商品展開を検討するための資料作成も簡単に行えるようになっています」と語る。生産計画の策定も大幅に効率化された。

沢根様 沢根氏は「2人の担当者で5営業日を要していた業務が、1人で4営業日以内に終えられるようになりました」と話す。

サプライプランニング部 Head of Department 沢根 博貴様

佐治様 今後ドームでは、「目論見管理」「生産Forecast管理」さらには、「中期計画」からの年度予算情報管理までをシステム化することで、計画策定のあらゆるフェーズでの整合性を図り、計画のさらなる精度向上を目指していくという。

佐治氏は「商品の展開判断、および販売・生産計画は、利益追求や在庫回転日数の削減の土台となるものです。今後、ドームのビジネスをさらに成長させていくためにもプランニングシステムが対象とする領域をさらに広げていきたいと考えており、引き続きジールによる手厚い支援を期待しています」と強調した。

※取材年月 2022年1月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社が株式会社ジールのCPM事業を継承する以前に作成されたものです。

会社名:株式会社ドーム
設立:1996年5月8日
本所所在地:〒135-0063 東京都江東区有明1-3-33
事業内容:各種スポーツ用品の製造・販売
URL:http://www.domecorp.com/
※2022年1月 取材当時の情報です


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