2014.04.09

連結会計

開示・連結決算

事業管理

DivaSystem LCA

制度連結と管理連結のシステムを統合して業務を効率化 管理連結の強化や四半期決算の法制化への対応を図った後アウトソーシングによるシステム運用負荷の削減にも取り組む

株式会社三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルホールディングスは、三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨン、生命科学インスティテュートの5社を事業会社とし、連結子会社は国内外合わせて361社(2014年3月末現在)となっている。

管理連結の取り組み強化や連結決算システムに関する課題の解決に加え、四半期決算の法制化に対応する必要から、同社は連結決算システムをDivaSystemに刷新。業務の効率化、システム運用の負担とコストの削減を実現し、ホールディングスに加え、主要事業5社の連結決算システムの統一も進めている。

  • 導入前の課題

    • 制度連結と管理連結のシステムを個別に構築、運用しており、データ連携や同期に大きな負荷が生じていた。

    • 管理連結用のシステムは使い勝手が悪く、保守コストも高額だったため、刷新を検討していた。

  • 導入効果

    • 同一サーバ内での複数範囲の連結(フラット連結)、制度連結と管理連結の統合などにより、業務の効率化とグループ再編への柔軟な対応が可能になった。

    • 各種データの活用が容易になり、業務全体のスピードアップ、速やかな意思決定を行うための基盤が整った。

    • 連結決算システムの基盤をDIVAにアウトソースすることにより、安定した業務環境の実現とコストや運用負荷の削減を両立している。

【導入の経緯】管理連結用システムの刷新や
四半期決算の法制化など種々の要件への対応が必要に

三菱ケミカルホールディングスは、主要事業5社ごとの連結決算の結果を取り込む形で自社の連結決算を行っており、現在はデータだけでなく決算業務に携わる各社の人員も集約して、効率化を実現すべく組織の再編を進めている。以前は制度連結と管理連結で別のシステムを構築しており、データの連携や同期には多大な労力がかかっていたという。管理連結のシステムは使い勝手が今ひとつで保守コストも高額だったため、刷新したいという要望はすでに出ていた。また、四半期決算(四半期報告書)が2008年に法制化されることも踏まえて連結決算システムを見直すことになったと、経営管理室の岩澤龍哉氏は話す。

「それまでのシステムは年間で決算をまとめるタイプで、四半期単位など積上げ形式ではできませんでした。四半期決算になれば為替レートの変動なども考慮しやすくなりますが、決算業務のボリュームは増えます。今回のシステム刷新は、管理連結用のシステムを変更しようという話が出ていたところに、四半期決算の法制化というタイミングが重なったのが大きな要因でした。」

【選定・導入】管理連結、フラット連結の実績などを評価して
DivaSystemを採用、現在はシステムアウトソーシングも利用

同社は制度連結と管理連結のシステムを統合することを念頭に、新システムの選定を行った。DivaSystemを採用したのは、機能的な要件を満たすだけでなく、製品の実績やDIVAの取り組みも評価したことが理由と岩澤氏は話す。

「検討時には複数の候補がありましたが、ちょうどその頃DivaSystemが管理連結の機能を強化した新バージョンになり、当社の要件に最も合致する選択肢となったのです。連結決算システムとしての実績は非常に多く、安心感がありました。また、管理連結はアドオンが必要と考えていたので、DIVAがアドオンの経験を豊富に持ち、柔軟に対応していることは高評価でした。」

同社では現在、ホールディングスを構成する主要事業5社の連結決算と、主要事業5社のグループ会社の連結決算(サブ連結)をフラット連結で処理している。以前は別個に処理されていたが、DivaSystemではサブ連結の処理も親会社となる同社サーバ上で各事業会社の子会社が報告する同一の明細を利用して一元的に対応することが可能であり、グループをまたがる連結決算を仕訳コピー機能で容易に連携できる。導入に際して、各社が設けていた仕訳種別の定義を見直し、運用ルールを定めたことで各社の連結決算システムをDivaSystemへ移行させ、グループ内での統一が図りやすくなったとのこと。現在は、主要事業5社のうち4社がDivaSystemを運用している。岩澤氏は当時の取り組みを次のように話す。

「DivaSystemで定義されている仕訳種別にはそれぞれ意味があるので、それを理解した上でしっかり修正し、ルールやフォーマットを決めました。各社が独自で処理する部分と、ホールディングスとして統一する部分の切り分けと整理には1年ほどかかりましたが、ここできちんと取り組んだことが今の業務効率化につながっています。」

また、同社は2014年1月から、DivaSystemの運用基盤としてDIVAのシステムアウトソーシングサービス(DSMS)を利用している。グループ企業からも同様の提案もあったが、岩澤氏は保守対応などを考慮してDSMSにしたと話す。

「連結決算システムのために環境を構築していること、決算期には休日でも対応していただけることがポイントでした。グループ企業のクラウドサーバも基幹システムなどで使っていますが、決算期に合わせたメンテナンスや休日対応は難しく、丸ごとDIVAにお任せしたほうがよいと判断しました。自前でサーバを構築していた時よりも格段に労力とコストが削減され、稼働も安定しています。」

【導入効果】業務のスピードに応えてくれる
使いやすいシステムとして評価

岩澤氏は、DivaSystemを使いやすく、わかりやすいシステムだと評価している。

「仕組みが直感的にわかりやすく、画面を見ればどうすればよいかがわかるように設計されていると感じます。機能面でも、例えば精算表で金額の増減がある箇所をクリックすると、そこに紐づく仕訳帳データが即座に表示されるなど、業務のツボを押さえたものが多いですね。」

経理部 制度会計グループの高橋健一氏は、システムに蓄積されているデータの閲覧や加工が容易になったことも、業務のスピードアップに役立っていると話す。

「管理会計のデータ照合や、直近の業績見通しと決算の最新データを簡単に比較できるのは、制度連結と管理連結を1つのシステムで処理しているメリットでしょう。経営側は、こうしたデータをスピーディに見たい、活用したいと考えているわけですが、ツールがそれに応えてくれるのは一番ありがたいです。」

経理部制度会計グループの櫻木信司氏は、データの書き出しが柔軟に行えることもDivaSystemのメリットだと話す。

「以前のシステムでは総勘定元帳や仕訳帳のデータの出力形式が1つしかなく、後で加工するのがとても面倒でした。DivaSystemは目的に応じて出力形式を選択でき、Excelなどで自由に加工したり、データを抽出したりするのがとても簡単になりました。これも業務効率の向上につながっています。」

管理連結用アドオンの対応もしっかりしており、同社のリクエストに的確に応えてくれたと岩澤氏は話す。DIVAはサポートの対応も良く、安心して製品を使えるとのこと。

「具体的なオペレーションについてもしっかり応えていただけますし、ナレッジベースも非常に充実しています。こちらの質問が速やかに反映されるなど、社内の連携もしっかりしていることが伺えます。」

【今後の展開】資本連結への対応に期待
よりよい製品、サポートの実現に向けてコミュニケーションを続けたい

同社は組織の再編が多く、グループ会社間で株式の持ち合いなども行われている。そうした点を踏まえ、DivaSystemが資本の連結処理にも対応することを期待していると岩澤氏は話す。

「四半期ごとに10~ 20件ほど再編が行われることもあるので、対応も大変です。今は手作業で対応している部分もあるのですが、システムとして対応できるようになるとありがたいですね。次のバージョンで強化されると聞いていますので、期待しています。」

最後に高橋氏は、DIVAとの関係を踏まえ、次のように話してくれた。

「現在DivaSystemを利用している各社が同じようにノウハウを持っているわけではないので、実務レベルの知見を蓄えて展開していきたいと考えています。今回の導入を機にシステムの一元化が進み、DivaSystemに触れる人間の裾野も広がっています。社内の要望やノウハウを速やかにキャッチアップして、それを製品に反映してよりよい使い心地やサポートを実現していただくためにも、DIVAとは積極的にコミュニケーションを図っていくつもりです。」

※取材年月 2014年4月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:株式会社三菱ケミカルホールディングス
設立:2005年10月3日
本社所在地:東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル
事業内容:機能商品、ヘルスケア、素材ほかの製造、販売/医療、ヘルスケア関連事業
従業員:333名(男性217名/女性116名:2016年12月31日現在)、連結従業員5,200名
グループ会社数:429社(2021年10月末現在)
URL:https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/


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